落馬の相「徒然草気まま読み」#160

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動画説明

今回扱うのは、第百四十五段。
全文を紹介すると…

御隨身秦重躬(しげみ)、北面の下野入道信願を、「落馬の相ある人なり。よく\/愼み給へ。」といひけるを、いとまことしからず思ひけるに、信願馬より長じぬる一言、神の如し。」と人おもへり。さて、「いかなる相ぞ。」と人の問ひければ、「極めて桃尻にて、沛艾(はいがい)の馬を好みしかば、この相をおほせ侍りき。いつかは申し誤りたる。」とぞいひける。

上皇の側近・秦重躬という人物が、北面の武士・下野入道信願に、「あなたには落馬の相がある。十分用心なされよ」と忠告した。
そんなことあるかと誰も信用しなかったが、実際に信願が落馬して死んでしまったため、人々はまるで神のお告げのようだ、落馬の相とは、いかなる相が表れていたのかと問うたところ…
種明かしを聞くと、思わず笑ってしまうようなことだった。
神にしか言えないかと思われるような真理も、実は当たり前のことのなかに潜んでいたりするものだという、兼好のメッセージ。

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