<マル激・前半>性差医療の視点から見た新型コロナで男性の死亡率が高いわけ/天野惠子氏(医師、日本性差医学・医療学会理事)

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 新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。政府の分科会会長の尾身茂氏は第4波に入りつつあるとの認識を明らかにしている。 

 感染拡大でもっとも注意しなくてはならないのは、飲食店の時間短縮でも会食の制限でもなく、重症化を防ぎ、死亡する人を出さないことだ。どういう人の死亡するリスクが高いかはすでに様々なデータからわかっており、その対策がもっとも重要となる。 

 その一つとして言われているのが、男性のほうが女性より死亡率が高いことだ。日本ではすべての死亡者の性別がわかっているわけではないので一概には言えないところがあるが、判明している限りでは、80歳以下では男性のほうが2~3倍死亡率が高い。男女別の感染者数や死亡率などのデータをまとめている海外のサイトによれば、ほとんどの国で男性の死亡率のほうが高くなっている。ただしこのサイトには、日本のデータは掲載されていない。 

 男性の死亡率が高い理由として真っ先にあげられているのが喫煙率の高さだ。その他、免疫に関する遺伝子がX染色体上にあることで、X染色体が1本しかない男性のほうが不利なことや、女性ホルモンが感染に対して抑制的に働くことで女性のほうが重症化しにくい、といったことが指摘されている。 

 性差医療の第一人者で医師の天野惠子氏は、死亡率の男女格差は生活習慣と大きく関係していると指摘する。新型コロナウイルスは宿主のACE2受容体に結合することが知られており、このACE2受容体は心疾患、高血圧といった血管系の病気で発現量が多くなる。不健康な生活習慣による血管へのダメージが、50歳~60歳の男性が新型コロナウイルスに感染した際の重症化に関係している可能性があると天野氏は言う。一方、女性は閉経期の50歳前後までは女性ホルモンで守られており、70歳代くらいにならないと同じような状況にならないのだそうだ。 

 そもそも性差医療とは、医療は生物学的な男女の差や社会的・文化的な差を考慮して行われるべきではないかとの考えの上に立つもので、1980年ごろからアメリカで広まり始めた。これまで一般的な薬の量は男性を対象に行われた治験データに基づいて定められてきた場合が多いことに対して、すべての年齢の女性において女性に特有な病態について生物医学的研究が行われるべきであり、臨床治験の対象数の半分を女性にすることが望ましいと考えるのが性差医療だ。循環器が専門だった天野氏も、男女で病態が異なることに気づき、性差医療を推進してきた。 

 現在、新型コロナウイルスのワクチン接種が進められているが、果たして接種量は男女で同じでよいのか。アナフィラキシーが女性に多く報告されているのは、免疫反応が女性のほうが強いことと表裏の関係にあるのではないかと天野氏は指摘する。すべてのひとに一律に行われることがよいのかどうか、副反応や効果も含め、今後、考慮する必要が出てくるかもしれない。 

 日本における性差医療の第一人者である天野惠子氏と、新型コロナウイルス感染症の課題から健康教育の在り方まで社会学者の宮台真司氏とジャーナリストの迫田朋子が議論した。

後半はこちら→so38562765


(本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)

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