【講義アーカイブ】寄付講座「知恵の庭」第1シーズン 第2回「覚鑁からみる院政期の王権と顕密仏教:高野山大伝法院の創建をめぐって」(講師:郭佳寧)[2021年1月23日]

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講義概要

興教大師覚鑁(1095~1143)は、真言教学を振興するため、当時随一の権力者である鳥羽院の外護を得て高野山において鳥羽院の御願寺として大伝法院を建立し、長く中絶したままの伝法会を再興した。覚鑁聖人における真言密教を復興する一連の活動において、当時の権力の頂点に立つ鳥羽院の外護は絶大な影響力を及ぼしたが、聖人が在世中に経験した高野山、及び当時の宗教界の状況は、必ずしも平穏ではなく、様々な局面で騒乱が起き続けるた時代であったる。そのような覚鑁聖人が生きていた時代は、日本における中世のはじまりであり、いわゆる院政期である。

本講義は、高野山大伝法院創建の経緯及び寺院組織の確立への考察を通じし、大伝法院をめぐる本願鳥羽院の意志とその建立の主体である覚鑁の意図を再確認し、大伝法院の御願寺としての歴史的意義を論ずる。また、諸資料を読解し、高野山大伝法院創建にあらわれる鳥羽院の宗教政策、及び覚鑁が追及する密教実践の実態と王権への認識を検討する。更に、それらの考察を踏まえて、鳥羽院政権のもとに復興された伝法会の儀礼、及び大伝法院という宗教空間建立の意義を改めて考えてみたい。

寄付講座「知恵(スキエンティア)の庭〜人文学の最前線〜」

ラテン語で「知恵」「知識」などを表すscientia(スキエンティア/シエンツィア)は、英語のscience(サイエンス)の元となった言葉です。science(サイエンス)は「科学」と日本語訳され、現在では主に自然科学を指す言葉として使われていますが、元々は学問全般を指す言葉です。連続講義「知恵(シエンツィア)の庭〜人文学の最前線〜」は、若手・中堅研究者による先端的な研究がクロスオーバーする場として企画されました。

本寄附講座は、人文学の「知恵」を未来につなぐために、若手研究者の発表の場を作りたい、という上七軒文庫の志に賛同してくださった小野嶋祥雄氏のご寄付により開講されます。本講座では、発表の機会に乏しい若手研究者とともに、今まさに研究の最前線を切り拓いている研究者にもご登壇いただき、多くの方々に人文学の面白さを知っていただく機会となればと思っています。

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