【講義アーカイブ】深読みの楽しみ:新しい「古典」の発見②「行きて帰らざる物語—古典文学研究者が読む『星界の紋章』・『星界の戦旗』—」(講師:柏原康人)[2020年8月29日]

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森岡浩之『星界の紋章』とその続編である『星界の戦旗』は、アーヴという架空の種族と人類が宇宙の覇権を巡って戦う最終戦争のさなかに繰り広げられる主人公たちの冒険を描いたSF小説である。この作品は「アーヴ語」という作者が独自に創り出した架空言語やファーズと呼ばれる「平面宇宙」なる空間の存在など独自の世界観を持っており、その中で繰り広げられる主人公の少年とヒロインの少女の冒険活劇として読むだけでもSF小説として楽しむことができるだろう。
この講義では、SF小説としている評価されているこの作品を「神話」を軸に読み解いてみたい。この「星界」シリーズの世界観の根底には、「(日本)神話」が存在する。人類と敵対するアーヴは作中では明言されないものの「日本民族」の末裔とされ、彼らの話すアーヴ語も「日本語」を祖とするものとされるなど(日本)神話のモチーフは作品の随所に登場しており、「(日本)神話」がこの作品の重要なファクターになっている。さらに、この作品の物語そのものが「神話」として読み解くことができる。主人公たちの冒険だけではなく、世界像の根幹をなしているアーヴという種族の成り立ちや人類との戦争などの物語の世界構造自体が「神話」と相似形を描いている。「神話」という視点からこの作品を読み解いた時にどのような「神話」世界が立ち現れるのか考えてみたい。

※ この講義ではあらすじなどの解説は最低限に止まります。また、『星界』シリーズにはアニメ版やマンガ版がありますが、本講義では原作小説(森岡浩之『星界の紋章』1~3, 『星界の戦旗』1~6, 『星界の断章』1〜3)を取り扱います。

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