米メディアや専門家は「ウイルスが実験室で作られた」との陰謀論に徹底反論

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米国内での新型コロナウイルスの蔓延が日増しに進む中、トランプ政権の指導力不足を指摘する声が増え続けているが、当のトランプ大統領本人やその支持者たちは民意を汲み取ることや政策を調整することはせずに、米議会や世界保健機関(WHO)などを標的に「濡れ衣」を着せる行いに走っている。そして今、彼は責任逃れのために中国を「煙幕」として利用し、批判の的とするため、ウイルスの「武漢研究所起源説」なるデマを流している。
 しかし、この陰謀論が唱えられると、複数のメディアや専門家がすぐさま反論意見を発表した。
 このほど、米国のニュースサイトBuzzFeed(バズフィード)は、「新型コロナウイルスが武漢の実験室から漏洩したとの証拠を科学者は見つけておらず、トランプ支持者は堂々とデマを拡散している」と題する調査記事を掲載した。この報道は「新型コロナウイルスが実験室で作られたという説は陰謀論であり、この説を広める人々の目的は政治的利益にある。この理論は、トランプおよび彼の支持者にとっては特に魅力的なものだ。なぜなら、彼らの身代わりにできるからだ」と指摘した。
 同サイトはまた、「このような陰謀論が出回った直後に、科学者が迅速に反論を行った」とも紹介している。
 また、コロンビア大学の微生物と免疫学の専門家であるビンセント・ラカニエロ教授は、「ウイルスが実験室で作られたという見方は、陰謀論とさえ呼びたくない。なぜなら、『論』とは実際の結果に基づくべきものであり、ウイルスが人の手で作られたとするこの説は非常に政治的な動機に基づくものだからだ。この観点を鼓吹する人は、自分の言っていることを分かっていない」と話した。
 この陰謀論はホワイトハウス内部でも批判されている。米国のメディアによると、ホワイトハウスの感染症対策チームメンバーで、感染症の権威であるアンソニー・ファウチ博士がこの陰謀論に関して質問を受けた際に、「新型コロナウイルスに関して現在ある証拠は、動物から人間へと感染したとする理論に完全に合致している」と指摘した。同時に、「新型コロナウイルスの遺伝子配列の研究結果は、このウイルスが人為的に作られたものではなく、動物から人に感染したものだということを非常に明確に証明している」と述べた。
 また、米スクリプス研究所の免疫学・微生物学研究員クリスティヤン・アンデルセン博士は、生物医学ジャーナル誌「ネイチャー メディシン(Nature Medicine)」で論文を発表し、新型コロナウイルスと他6種のコロナウイルスと対比した結果、「新型コロナウイルスは人為的に作られたものではない」との結論を下した。

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