動画説明
米海軍上層部に書簡を送り、船内での新型コロナウイルス感染拡大について警鐘を鳴らし、乗組員の健康を守るための速やかな行動を求めていた米空母「セオドア・ルーズベルト」のブレット・クロージャー艦長が解任された。3日、空母を去る艦長に乗組員から拍手喝采が上がった映像がソーシャルメディアで話題になっている。
映像には、集まった大勢の乗組員が拍手や名前の連呼でブレット・クロジャー艦長を盛大に送り出す様子が映っている。
米紙「サンフランシスコ・クロニクル」の3月31日の報道によると、乗組員100人以上が新型コロナウイルスに感染していることを受け、クロージャー艦長は30日、4ページに及ぶ書簡をしたため、船内での感染状況の急速な悪化を訴え、乗組員全員の下船と隔離を直ちに許可するよう海軍上層部に求めた。
書簡には「我々は戦争状態になく、水兵らは死ぬ必要がない。直ちに行動を起こさなくては、我が軍の最も信頼のおける資源である水兵を適切に保護することができなくなる」と記述されている。
しかし、この問題はすぐに対応されず、トランプ大統領さえも「軍に任せる」姿勢を示した。
この問題に対する米メディアの注目が高まっていることを受け、米国防総省は、同空母の乗組員へのウイルス検査など医療支援を急いでいる一方、クロージャー艦長は「判断力に欠ける」との理由で解任された。
これに対し、米国社会は愕然としている。モドリー海軍長官代行は、クロージャー艦長が海軍上層部へ連絡した際に、部外者にも内容を漏らしたことが問題視されての解任だったと発表したが、納得されなかった。米国の多くのメディアがクロージャー艦長を応援している。
「ニューヨーク・タイムズ」は4日、クロージャー艦長を「ヒーロー」とする論説を発表。クロージャー艦長について、「自分の前途を犠牲にしてでも部下の命を救おうとする尊敬されるべき軍人だ」と評価している。
また、米国内のSNS上でも、「彼がヒーローであることは間違いない」「部下の命を救って、ありがとう」「部下の命を救うため、真実を言ったんだ」など、クロージャー艦長を支持する発言が相次いでいる。 一方、「徴兵を逃れるために骨棘を偽造した大統領が、致命的な感染症から乗組員を救おうとした人を解雇した。どちらが解任されるべきか、一目瞭然だ」など、米政府の臆病な行為に対する不満を表す声が上がっている。
グアムに寄港している「セオドア・ルーズベルト」で先月24日、乗組員3人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。その後、さらに数十人の感染が確認された。
1日、海軍は艦上におよそ5000人いる乗組員のうち、半数以上のおよそ2700人を下船させると発表。
これまでに、乗組員130人余りの感染が確認されたという。
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