貿易摩擦で、米国産チェリーが犠牲品

投稿日時

再生数

95

コメント数

0

マイリスト数

0

この動画は投稿( アップロード )された地域と同じ地域からのみ視聴できます。

動画説明

「チェリーの自由」という言葉の意味、ご存知なのかな。中国に住んでいない方には初耳になるかもしれない。
 それはあたし、中国で最も値段の高い果物の一つ、美味しいサクランボに関する話よ。
 輸入品の高級チェリーの値段が高いため、中国の若者の間には、それを買う余裕があるかどうかは家計状況が判断される1基準になっている。つまり、「チェリーの自由」とは、真っ赤に熟した甘みたっぷりのチェリーを、買いたいだけ買えるとのことだ。
 中国の中間所得層の急速な拡大につれ、ますます多くの人は高級チェリーが好きになり、買うようになっている。米国産チェリーはかつて、中国人消費者に大人気だった。北京のある若い女性の言葉によると、「米国産チェリーを食べると、健康的で贅沢な生活をしていると実感してくる」という。まさにそのとおり、多くの栄養分のある米国産チェリーだが、中米両国の貿易関係の緊張化が進む中、ダメージを受けている。  トランプ大統領が仕掛けた貿易摩擦の関係で、米国産チェリーは中国市場から姿を消している。トランプ大統領による中国輸入品に対する関税引き上げ措置に対抗するため、2018年4月、中国は米国産チェリーに対する関税を10%から25%に引き上げ、7月にまた50%に引き上げた。米国産チェリーの中国輸出額は2000年のゼロから、2017年の約2億ドルに成長したが、今はその10分の1にまで急落したことが税関のデータで分かった。
 2017年、米国が2万7000トンのチェリーを中国に輸出し、2016年より95%の伸び率を記録したが、2018年の貿易摩擦の影響で、輸出量が半分ほど低下した。影響を受けた米国の農家は熟したチェリーみたいな赤い顔をして怒りを隠せなかった。チェリーを主な農産品とする米国の北西部の農家にして、貿易摩擦は悪天候よりも手強いものだ。
 ご周知のとおり、雨や雹、霜などの悪天候がチェリーにとって天敵のような存在だが、17年間も積み重ねてきた中国市場における米国産チェリーの存在感は両国間の貿易摩擦で泡のように消えた。米チェリー農家の推定によると、ほぼ一晩でチェリーの輸出額は約8500万ドル以上の損失を被ったという。さらに、米関連業者は、失われた市場を二度と取り戻せない事態が起きるのではないかと懸念している。
 それは十分ありうることだ。中央アジア諸国のチェリーが中国市場に進出しており、より便利な配達と通関のサービスに恵まれる。キルギスやタジキスタンなどの中央アジア諸国に加え、世界最大のチェリー輸出国であるトルコも含めて、中国による輸入許可手続きの緩和を機に、中国市場でのシェアを拡大している。  中国にとってチェリー最大の輸入国であるチリにつぎ、かつて2番目だった米国が貿易摩擦で失った市場は他国のものになっており、そこのチェリー業者がまさにチェリーのようなおいしい生活を満喫している。
 米国産チェリーの輸出額が激減する一方、中国によるチェリーの輸入総額は2018年に比べて169%増の13億ドルに達した。
 こうした中、米国は再びチェリーからおいしい味を味わえるのかしら。

提供元チャンネル
関連動画