ブルース・リー創案 五門の型 実演・文 中村頼永

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BUDO-RA

動画説明

協力 小島晃 IUMA日本振藩國術館東京本部長

 人体を五つのゲート(門)に分けて、その攻防の基本を練習する「型」が、ここに紹介する「ング・ムーン」の「型」である。「ング・ムーン」とは広東語で「五門」という意味で、四つに分けられた上半身の四門と、下半身の一門で「五門」となる。
それぞれの門の記され方は二通りあり、上半身を「内高門」「外高門」「内中門」「外中門」、下半身を「低門」と記して五つの門とする場合と、上半身を「内高門」「外高門」「内低門」「外低門」とし、下半身を「最低門」として五つの門とする場合がある。
 ブルース・リー師祖は、渡米前の香港で中国功夫と詠春拳を学び、この「型」の発想を得た。そして、彼は渡米後、詠春拳の攻防一体の技法を軸に、彼が習得していた他の功夫の技法も取り入れて、それぞれの「門」の攻防を研究、練習していった。
そして生徒にその指導を行なうようになったが、1960年代初期の頃は、まだその五門の攻防は体系化されていなかった。
 60年代中期、ロスアンゼルスに移住したブルース・リー師祖は、3つ目の彼の道場「振藩國術館LA校」の指導員候補となる高弟のダン・イノサント師父にこの攻防技法を指導する際、それを習得し易くする為に体系化したのである。それが「ング・ムーン」の「型」の誕生であった。そして、ブルース・リー師祖は、その「型」をイノサント師父に伝授した。イノサント師父によると、ブルース・リー師祖からその「型」の指導を受けた際、教わる度に少しずつ変化が加えられており、技法の数も増えていったと言う。イノサント師父はその「ング・ムーン」の「型」により、多くの五門攻防技法の基本形を習得する事が出来たのである。
 60年代後期、ブルース・リー師祖は、TV、映画界への進出に関わる様々な計画、自主トレ等で多忙であったため、設立された「振藩國術館LA校」での指導は、その殆どがイノサント師父に委ねられていた。イノサント師父はそこで「ング・ムーン」の「型」を「型」としては指導せず、それら個々の技法をパートナー練習で実戦に応用した本来の技法として指導を行なった。イノサント師父はその後もずっと、その応用実戦技法の指導を継続してきたため、このイノサント師父がブルース・リー師祖に伝授された「ング・ムーン」の「型」は長い間、公開されずにきていた。
 イノサント師父が現在主宰するイノサントアカデミーで、1993年よりジュンファン・ジークンドーを指導するクラスを任されていた私は、ブルース・リー師祖がイノサント師父に行なったのと同様に、プライベートレッスンでイノサント師父よりこの「型」を伝授されていた。私はこの「型」は初心者にとても良いガイドになると思ったので、ある日、イノサント師父に私のクラスで公開指導しても良いかと尋ね、了解を得る事が出来た。そして1993年より、私のクラスでは練習の初めにこの「型」を練習するようになっている。
 日本では、私が代表を務めるジークンドー継承組織「IUMA日本振藩國術館」直轄「日本JUNFANクラブ」の各支部でもこの練習が行われている。
 それでは、ブルース・リー師祖の無形遺産の一つであるこの「ング・ムーン」の「型」を、映像にて初公開することにしよう。

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