【講義アーカイブ】京都の美術家Ⅱ アートの副産物(講師:矢津吉隆)[2020年6月21日]

投稿日時

再生数

29

コメント数

0

マイリスト数

0

ジャンル

解説・講座

172:51

チャンネル会員専用動画

このチャンネルに入会すると、動画を視聴できます。

上七軒文庫チャンネル

動画説明

※ 本講義のレジュメは、現在修正中です。準備ができ次第、公開する予定です。

京都四条大宮に位置するKYOTO ART HOSTEL kumagusuku(クマグスク)のオーナーであり、現代美術家である矢津吉隆氏を講師に迎え、美術のための「場」そして「プラットフォーム」の概念を手がかりに国内外の諸都市にはない京都の現代美術の特質、その優れた点や問題を議論する講義の第2弾です。
2019年冬に開催した第1回講義では、矢津氏が運営するアートホステルkumagusuku、シェアスタジオ vostok、そして2019年度から始動した「クマグスクのアート×ワーク塾」の意義や将来の展望についてお話いただきました。続く第2回講義では、2020年初頭から継続する新型肺炎の世界的流行、さらにそれ以前から問題となっていた京都の「オーバーツーリズム」を踏まえて、いま矢津氏が構想する美術と京都の新たな在り方について詳しくお話いただきます。
その新たな構想のキーワードとなるのが「アートの副産物」です。

「アートの副産物」について簡単に説明しておくと、例えば画家の絵の具がついた道具であったり、版画の試し刷りであったり、あるいは陶芸の試作品等、美術家が制作の過程で生みだす様々なものの総称で、普通はアトリエの隅で埃をかぶり、いずれ捨てられる運命にある「廃材」です。しかし、矢津氏はそれらを価値のあるものと捉え直し、「副産物」と名付け、2017年からは京都のいくつかのアトリエや芸術大学から生じた「副産物」を回収し、販売、流通させるプロジェクトとして「副産物産店」と名付け活動しています。
「副産物」と「副産物産店」が持つだろう意義についても簡単に確認しておくと、第一に現代美術における「作品」とそれ以外のものの区別を問う、美術の制度をめぐる矢津氏なりの再検討と理解できます。さらに「副産物産店」を共に運営する山田毅氏、岩崎達也氏との鼎談内でも示唆される通り、現代美術にとって中核ともいえるテーマ、ものそれ自体に「価値」が付与されるプロセスを主題とする作品=思考実験の一つとも捉えられます。

また矢津氏によれば、これら「副産物」「副産物産店」にこそ、新型肺炎とオーバーツーリズム以後のkumagusuku、そして京都の現代美術の新たな可能性も発見できるとのことです。
本講義では「副産物」と「副産物産店」の詳細に始まり、それらが持つだろう意義まで、幅広くお話いただく予定です。

講師:矢津吉隆(美術家、kumagusuku代表、京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)非常勤講師)

参考
kumagusuku
矢津吉隆
「「廃材」から「副産物」へ、新たな価値が生まれる瞬間。| 副産物産店特集 共同編集者インタビュー」

提供元チャンネル
関連動画