【講義アーカイブ】寄付講座「知恵の庭」第2シーズン第1回「美大受験教育の諸相」(講師:荒木慎也)[2021年3月27日]

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動画説明

※ 本講義の配布資料はありません。
※ 最初の5分ほど、配信のトラブルがありますが、ご容赦ください。

本講義では、日本の美術教育、とりわけ美術系大学受験の世界を扱います。

日本の美術系受験産業は、全国から受験生が集まり、圧倒的な受験倍率を誇る東京藝術大学を中心に動いてきました。その結果、東京にはいくつもの「大手予備校」が成長し、巨大な美大受験産業圏を形成しました。この傾向は、東京藝大の入学志願者数が7,000人を超えた1990年代を最盛期に、現在も弱体化しつつ続いています。

一方で、2000年代なかばから美術系大学の進学希望者が激減し、現在ではかつてのように「多浪して藝大」と地方から上京する受験生も少なくなりました。こうした変化の中で、私は東京以外の地域で展開される受験教育に関心を寄せるようになりました。

愛知や京都のように、地元に有力な公立美術系大学が存在する都市では、地元の美大を頂点とする地方受験の構造と、東京藝大を頂点とする日本の受験構造の、2つの力学に支配されています。さらに、地元に有力な美術大学を持たない地方都市の美大受験生は、また個別固有の事情を抱えています。

日本の美大受験教育について考察する際には、どうしても東京に関心が集まりがちです。私の2018年の書籍『石膏デッサンの100年—石膏像から見る美術教育史』でも、もっぱら東京藝術大学と東京の大手予備校の関係に焦点を当てて議論を展開しました。しかし、それ以外の広範な地域で実践されている受験教育に目を向けることで、単純な社会階級ピラミッド構造には還元できない、受験教育の諸相が見えてきます。

今回の講義では、議論の対象を私立美大や地方都市にも拡張し、より広い視点から、日本の美術系大学受験の現状を報告します。

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